Azure OpenAIの利用料金を確認する方法|Cost Managementの使い方
Azure OpenAIの利用料金は、Azure portalのCost Management(コスト分析)でリソース・サービス・メーター・タグ別に確認できます。スマートビューとカスタムビューの使い方、デプロイメント単位の利用量をメトリクスで見る方法、予算と異常検知アラート、エクスポート、データの反映遅れ(24〜48時間)と部署別に見るときの限界を説明します。
Azure OpenAI の利用料金は、**Azure portal の Cost Management(コスト分析)**で、リソース・サービス・メーター(課金項目)・タグ別に確認できます。利用量(トークン数)は Azure Monitor のメトリクスでデプロイメント単位に見られます。
この記事では、コスト分析の使い方、メトリクスとの使い分け、予算とアラート、部署別に見るときの限界を説明します。料金体系は「Azure OpenAI Service の料金体系」を参照してください。
確認できる場所と粒度
| 場所 | 見えるもの | 粒度 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| Cost Management コスト分析 | 実費(契約通貨) | サブスクリプション・リソースグループ・リソース・サービス・メーター・タグ × 日 | 請求との突合、部署別の配賦 |
| Azure Monitor メトリクス | トークン数、リクエスト数 | リソース・デプロイメント・モデル × 分〜時間 | 利用状況の把握、急増の検知 |
| 予算(Budgets) | 予算に対する消化率と通知 | スコープ単位 | 上限の管理 |
| 異常検知アラート | 想定外の費用変動の通知 | サブスクリプション | 急増の検知 |
| エクスポート | 実費の明細 CSV | 日次で自動出力可 | 経理提出、外部ツールでの分析 |
コスト分析の開き方と基本操作
Azure portal で対象のサブスクリプション(またはリソースグループ、Azure OpenAI のリソース)を開き、「コスト分析」を選びます。閲覧には Cost Management の読み取り権限が必要です。
コスト分析には 2 種類のビューがあります。
| ビュー | 内容 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| スマートビュー | KPI(合計・平均・予算)、インサイト(異常の検知)、上位の内訳、次の階層へのドリルダウン | まず全体を掴む。週次の確認 |
| カスタムビュー | 期間・粒度・グループ化・フィルタを自由に設定して保存・共有 | 部署別・用途別の定型レポート |
Azure OpenAI の費用だけを見る手順
- スコープをサブスクリプションにして、コスト分析を開く
- フィルタで「サービス名」を Azure OpenAI(表示名は契約や時期で異なる)に絞る
- グループ化を「リソース」にすると、Azure OpenAI のリソースごとの費用が出る
- さらに「メーター」でグループ化すると、モデル・入力/出力・デプロイ種別ごとの課金項目に分かれる
メーターは、課金項目の最小単位です。「どのモデルの入力トークンにいくら払ったか」はメーターで見えます。
タグで部署別に見る
リソースやリソースグループに「部署」「用途」などのタグを付けておくと、コスト分析でタグ別にグループ化・フィルタできます。Azure で部署別の費用を出す実務上の方法は、リソースとタグを部署単位で分けることです。タグは付けた時点以降の費用にしか効かないため、導入時に設計しておきます。
メトリクスで利用量を見る
費用ではなくトークン数やリクエスト数を見たい場合は、Azure OpenAI リソースの「メトリクス」を使います。
| メトリクス | 内容 |
|---|---|
| 処理された推論トークン | 入力・出力を含むトークン数 |
| 生成された補完トークン | 出力トークン数 |
| 処理されたプロンプトトークン | 入力トークン数 |
| Azure OpenAI 要求数 | リクエスト数 |
デプロイメント名・モデル名・ステータスコードなどでフィルタ・分割できます。利用者個人の内訳はありません。Azure には利用者別の API キーという概念がなく、見えるのはデプロイメント単位までです。
キャッシュされた入力トークンの絶対数は、メトリクスからは取得できません。概算費用をトークン数から出すときは、キャッシュ割引が反映されない前提で見てください。
予算とアラート
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 予算 | スコープ(サブスクリプション・リソースグループ)に月・四半期・年の予算額を設定し、消化率の閾値で通知 |
| 予測 | 過去の利用パターンから、期間内の予測費用と予算超過の見込みを表示 |
| 異常検知アラート | サブスクリプション単位で、想定外の費用変動を検知して通知 |
| スケジュールされたアラート | 保存したビューを日・週・月の定期でメール送付 |
予算は「知らせる」機能で、利用を止める機能ではありません。上限で止めたい場合は、デプロイメントのクォータ(TPM)の設定で間接的に制限します。
エクスポート
コスト分析の表はCSV や Excel にダウンロードできます。定期的に必要な場合は「エクスポート」で日次の自動出力をストレージに設定し、そこから経理や外部ツールに取り込みます。
データの反映タイミング
Cost Management の費用データは、利用から反映まで24〜48 時間程度の遅れがあります。新しいサブスクリプションは表示まで最大 48 時間かかることがあります。当日の状況はメトリクス(ほぼリアルタイム)で、費用の確認は翌々日以降に、という使い分けが基本です。
部署別に見るときの限界
| 見たいもの | Azure の画面で | 限界 |
|---|---|---|
| リソース別の実費 | コスト分析(リソース) | 問題なし |
| モデル・入出力別の実費 | コスト分析(メーター) | 問題なし |
| 部署別の実費 | タグまたはリソース分割 | 設計が前提。共用リソースは分けられない |
| デプロイメント別の利用量 | メトリクス | 費用ではなく利用量。概算は自分で計算 |
| 利用者別 | — | 概念がない。デプロイメント単位まで |
| キャッシュ入力の量 | — | 取得できない |
| OpenAI 直や Claude との合算 | — | 別の管理画面 |
社内で確認を運用する手順
| 頻度 | 誰が | 何を見るか |
|---|---|---|
| 日次(自動) | 通知 | 予算の消化率と異常検知アラート |
| 週次 | 情シス・DX 推進 | メトリクスでデプロイメント別のトークン推移。上位モデルの割合 |
| 月次 | 情シス + 経理 | コスト分析でリソース・タグ別の実費を確定。請求書と突合 |
| 随時 | 管理者 | 新しいリソース・デプロイメントを作るときにタグと所属を付ける |
よくある質問
Q. 昨日の費用がまだ出ません。 費用データの反映には 24〜48 時間かかります。当日〜前日の状況はメトリクスで確認してください。
Q. デプロイメントごとの費用は出せますか? コスト分析ではリソースとメーターまでです。デプロイメントごとの費用は、メトリクスのトークン数に単価を掛けた概算になります。
Q. 円建ての請求と USD 建ての見積もりを比べたい。 日本の従量課金は円建てで請求されます。USD 建ての料金表と比べるときは、為替レートを揃えて記録してください。
Q. PTU の費用はどこで見えますか? コスト分析でメーターを見ると、PTU の時間課金と予約の適用状況が分かります。予約の利用率は「予約」の画面で確認できます。
まとめ
- 実費はコスト分析でリソース・メーター・タグ別に。利用量はメトリクスでデプロイメント・モデル別に
- 部署別に見るには、リソースとタグを部署単位で設計する。利用者個人の内訳はない
- 予算と異常検知は「知らせる」機能。費用の反映は 24〜48 時間遅れる
- キャッシュ入力の量は取得できず、他社との合算は別画面
ManageAI は、Azure OpenAI のデプロイメント単位の利用量と Cost Management 由来の実費(円建てはそのまま)を読み取り専用で取得し、デプロイメントを部署に対応付けて他の 4 経路と合算表示します。モニター企業を募集中です。
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