ManageAI
プロバイダ別API料金5分で読めます

Azure OpenAI Serviceの料金体系|従量課金とPTUの違い

Azure OpenAI Serviceの料金は、トークン単価で払う従量課金(Standard)、24時間以内の非同期処理で50%引きのBatch、固定容量を時間課金で買うPTU(プロビジョンドスループット)の3方式。デプロイ種別(Global/Data Zone/Regional)による単価の違い、PTUの時間課金と予約割引、スピルオーバー、日本の円建て請求、OpenAI直との違いを2026年9月15日参照の公式情報に基づいて説明します。

Azure OpenAI Service の料金は、**トークン単価で払う従量課金(Standard)、非同期で 50% 引きの Batch、固定容量を時間課金で買う PTU(プロビジョンドスループットユニット)**の 3 方式です。同じ OpenAI のモデルでも、デプロイ種別(Global/Data Zone/Regional)で単価が変わり、日本の従量課金契約は円建てで請求されます。

この記事では、3 方式の違いと選び方、OpenAI 直との違いを、2026 年 9 月 15 日に参照した公式情報に基づいて説明します。単価はモデルとデプロイ種別ごとに公式料金ページと料金計算ツールで確認してください。5 社の横断比較は「生成AI API 料金比較 2026」を参照してください。

3 つの購入方式

方式課金レイテンシ保証向いている用途
Standard(従量課金)入力・キャッシュ入力・出力トークン × 単価なし開発・検証、変動の大きい本番
Batchトークン × 単価の 50% 引き。24 時間以内に非同期で完了なし一括処理、夜間バッチ
Provisioned(PTU)PTU 数 × 時間単価。トークン数に関係なく課金モデルごとのレイテンシ目標あり予測できる大量トラフィックの本番、対話型

このほか、Priority processing(優先処理・従量課金の割増単価でレイテンシ目標つき)があります。

従量課金(Standard)——デプロイ種別で単価が違う

Azure では、モデルを「デプロイメント」として作成して呼び出します。デプロイ種別によって、推論がどこで処理されるかと単価が変わります。

デプロイ種別処理される場所特徴
Global StandardAzure のグローバルなリージョン間で動的に振り分け最も可用性が高く、単価も基準になる
Data Zone Standard地理的なゾーン(US または EU)内ゾーン内のデータ所在地が要件の場合
Regional Standardデプロイしたリージョン内単一リージョンのデータ所在地が厳密に必要な場合

単価は「100 万トークンあたり」で、入力・キャッシュ入力・出力の 3 種です。日本リージョンに限定する要件があると、Global より高い単価になることが多いため、データ所在地の要件と費用のどちらを優先するかを先に決めてください。

PTU(プロビジョンドスループット)——容量を時間で買う

PTU は、モデル処理容量の単位です。デプロイ時に PTU 数を指定すると、その容量が専有され、リクエストの有無にかかわらず PTU 数 × 時間単価で課金されます。

項目内容
課金$/PTU/時間。デプロイが存在する間ずっと。1 時間未満は分単位で按分
一時停止できない。課金を止めるにはデプロイを削除する
モデル非依存PTU クォータはリージョン・デプロイ種別ごとで、どの対応モデルにも使える
最小サイズモデルごとに最小 PTU 数がある
スループット同じ PTU 数で処理できるトークン数はモデルで異なる。重いモデルほど多くの PTU が要る
デプロイ種別Global Provisioned/Data Zone Provisioned/Regional Provisioned

予約(Azure Reservations)による割引

PTU は 1 か月または 1 年の予約で、時間単価が割引されます。

  • 予約はデプロイ種別ごとに別(Global の予約は Regional に使えない)
  • 予約はデプロイと独立していて、スコープ(サブスクリプション・リソースグループ)内の該当デプロイに自動で適用される
  • 予約数を超えて配置した PTU は時間単価で課金される
  • 予約は容量を保証しない。先にデプロイを作って容量を確認してから予約を買うのが公式の推奨

スピルオーバー

PTU が使い切られて 429 を返すとき、同じリソース内の Standard デプロイに自動で溢れさせる設定です。PTU をピークに合わせて大きく買わず、ベース負荷を PTU で、ピークを従量課金で吸収する構成が組めます。

従量課金と PTU の選び方

状況選択
利用量が読めない、検証段階Standard(従量課金)
即時性が不要な一括処理Batch
トラフィックが予測でき、レイテンシの一貫性が必要PTU + 予約
ベースは安定、ピークだけ跳ねるPTU(ベース)+ スピルオーバー(ピーク)
短期のベンチマークやイベントPTU の時間課金(予約なし)

PTU は「容量を専有する」ため、利用率が低いと従量課金より割高になります。Microsoft の公式資料も、本番のスケール調整に時間課金の PTU を使うことは勧めていません。利用率を見ながら、予約で割引を取るのが前提の方式です。

日本の請求通貨

日本の従量課金契約は円建てで請求されます。他社の USD 建て料金と比べるときは、為替レートを揃えてください。円建てで固定される利点がある一方、USD 建てで並べる比較資料では換算の根拠を残す必要があります。

OpenAI 直との違い

OpenAI 直Azure OpenAI
契約OpenAI と直接Microsoft(Azure)と
単価1 本の料金表デプロイ種別ごとに異なる
固定容量なしPTU + 予約
通貨USD契約通貨(日本は円)
利用量の粒度API キー × モデル × 時間デプロイメント × モデル
実費の粒度プロジェクト × 日リソース × 日(Cost Management)
キャッシュトークン絶対数が取得できる取得できない
個人別の内訳キー単位で可デプロイメント単位まで

Azure には利用者別の API キーという概念がないため、利用者個人の内訳はデプロイメント単位までです。部署別に見たい場合は、デプロイメントやリソースを部署ごとに分ける設計が必要です。確認方法は「Azure OpenAI の利用料金を確認する方法」を参照してください。

費用を左右する要因

  1. デプロイ種別: Global が基準。Data Zone・Regional は要件がなければ避ける
  2. モデル: OpenAI 直と同じく、モデルで単価に大きな幅がある
  3. PTU の利用率: 専有した容量を使い切れていなければ、従量課金のほうが安い
  4. 予約の有無: PTU を本番で使うなら予約は必須
  5. バッチへの切り出し: 即時性が不要な処理は 50% 引き

よくある質問

Q. PTU は何個から買えますか? モデルごとに最小 PTU 数があります。必要数は、リクエスト数・平均入出力トークン・キャッシュ率から公式の容量計算ツールで見積もれます。

Q. PTU の予約を買ったのに容量が確保できません。 予約は割引であって容量の確保ではありません。先にデプロイを作って容量を確認してから予約を買ってください。

Q. 無料試用版でも同じ料金ですか? 契約形態によっては実費の取得 API に対応していないものがあります。その場合、利用量からの概算で管理することになります。

Q. 単価はどこで確認できますか? 公式料金ページはモデル・デプロイ種別・リージョン・通貨で単価が変わるため、料金計算ツールで貴社の条件を指定して確認してください。

まとめ

  • 3 方式: Standard(トークン単価)、Batch(50% 引き・非同期)、PTU(容量 × 時間)
  • Standard の単価はデプロイ種別(Global/Data Zone/Regional)で変わる。地域限定は高くなる
  • PTU は使わなくても課金される。予約で割引、スピルオーバーでピークを従量課金に逃がす。予約は容量を保証しない
  • 日本の従量課金は円建て。個人別の内訳はデプロイメント単位まで

ManageAI は、Azure OpenAI のデプロイメント単位の利用量と Cost Management 由来の実費(円建てはそのまま円表示)を、OpenAI 直・Claude・Bedrock・Vertex AI と合算して部署別に可視化します。モニター企業を募集中です。

関連記事

この記事を書いた人

師田 賢人の写真

師田 賢人

Kento Morota

Harmonic Society株式会社 Founder|設計・開発

一橋大学卒業後、アクセンチュアで大手企業の業務改革・システム導入に従事。200社以上の経営者を取材した編集者を経て、AIを活用したWeb開発・DX支援を展開。ManageAIの設計・開発を担当。

モニター企業募集

初期費用0円・月額5万円(税別)

先着5社・2026年11月末まで

5プロバイダの利用量と費用を部署・利用者・APIキー別に可視化。読み取り専用キーの登録だけで当日から始められます。

募集要項を見る資料請求・お問い合わせ

Blog一覧へ戻る