APIキー台帳テンプレート|Excelで始める最小構成
生成AIのAPIキー台帳をExcelで始めるための最小構成のテンプレートです。9列の管理表の見本と記入例、入力規則・条件付き書式の設定、シートの分け方、共有と権限の注意点、月次の棚卸しでの使い方、Excelで限界が来るサインまでを紹介します。

API キー台帳は、Excel(または Google スプレッドシート)の 1 シート・9 列から始められます。列は「キー名・識別子・プロバイダ・用途・利用者・部署・発行日・状態・失効予定日」。これに入力規則と条件付き書式を少し足せば、社員 100〜1,000 名規模の企業の最初の台帳として十分に回ります。
この記事では、そのまま写して使える最小構成の表と、記入例、設定のコツを紹介します。台帳の項目の考え方は「APIキー台帳の作り方|項目テンプレートと運用ルール」で詳しく説明しています。
最小構成のテンプレート(9 列)
| 列 | 項目 | 入力の形式 |
|---|---|---|
| A | キー名 | 文字列。命名規則に沿う(例: dev1-faqbot-prod) |
| B | 識別子 | プロバイダの画面に表示される部分的な文字列(末尾数桁など) |
| C | プロバイダ | リストから選択 |
| D | 用途 | システム名と環境(本番/検証) |
| E | 利用者 | 個人名、またはシステムの管理責任者 |
| F | 部署 | リストから選択 |
| G | 発行日 | 日付 |
| H | 状態 | リストから選択(有効/停止予定/失効済み/持ち主不明) |
| I | 失効予定日 | 日付(期間限定の用途のみ) |
キーの本体(秘密の文字列)を書く列は作りません。台帳は多くの人が開くファイルなので、本体はシークレット管理サービスに置き、台帳には識別子までを書きます。
記入例
| キー名 | 識別子 | プロバイダ | 用途 | 利用者 | 部署 | 発行日 | 状態 | 失効予定日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| dev1-faqbot-prod | …a1b2 | OpenAI | 社内 FAQ ボット(本番) | 山田(管理責任者) | 開発 1 課 | 2026-04-01 | 有効 | |
| dev1-faqbot-stg | …c3d4 | OpenAI | 社内 FAQ ボット(検証) | 山田(管理責任者) | 開発 1 課 | 2026-04-01 | 有効 | |
| sales-minutes-poc | …e5f6 | Claude | 議事録要約の PoC | 佐藤 | 営業企画 | 2026-07-15 | 停止予定 | 2026-10-31 |
| corp-aoai / gpt-deploy | (デプロイメント名) | Azure OpenAI | 全社チャット | 情シス | 情報システム部 | 2026-02-10 | 有効 | |
| (不明) | …g7h8 | OpenAI | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 持ち主不明 | 2026-10-15 |
最後の行のように、棚卸しで見つかった持ち主不明のキーも行として残します。失効予定日に「確認の期限」を入れておき、期限までに持ち主が分からなければ失効します。
Azure OpenAI のように利用者ごとのキーがないプロバイダは、リソース名とデプロイメント名を 1 行にします。AWS Bedrock や Google Vertex AI も同様に、アカウント(プロジェクト)とモデルの単位で行を作ります。
入力規則と条件付き書式の設定
表記ゆれは、後で集計や突き合わせをするときの最大の障害です。選択式にできる列は選択式にします。
入力規則(ドロップダウン)
- プロバイダ: OpenAI/Azure OpenAI/Claude/AWS Bedrock/Google Vertex AI
- 部署: 別シート「部署一覧」を参照させる。組織変更時はそのシートだけ直す
- 状態: 有効/停止予定/失効済み/持ち主不明
条件付き書式
| 条件 | 書式 | 意味 |
|---|---|---|
| 状態が「持ち主不明」 | 赤の塗りつぶし | 最優先で確認する |
| 失効予定日が今日から 14 日以内 | 黄の塗りつぶし | 延長か失効かを持ち主に確認する |
| 失効予定日を過ぎていて状態が「有効」 | 赤の文字 | 失効漏れ |
| 状態が「失効済み」 | 灰色の文字 | 参照用。削除しない |
条件付き書式を入れておくと、台帳を開いた瞬間に「今月やること」が見えます。月次の棚卸しの会議で画面共有するだけで、確認すべき行が分かります。
シートの分け方
1 つのファイルに次の 3 シートを置く構成がおすすめです。
| シート | 内容 |
|---|---|
| 台帳 | 上記の 9 列。1 行 1 キー |
| 部署一覧 | 部署名と部署コード。入力規則の参照元 |
| 変更履歴 | 日付・変更者・変更内容(行の追加、状態の変更など) |
変更履歴シートは、共有サービスの版の履歴で代用できるなら省略してかまいません。ただし「誰が失効済みにしたか」を後から確認したい場面は必ず来るので、何らかの形で残せるようにしておきます。
共有と権限の注意点
- 編集できる人を絞る: 情シスと各部署の担当者 1 名ずつ程度。閲覧は広くてもよい
- ファイルを複製させない: 部署ごとにコピーが作られると、どれが正か分からなくなる。共有リンクで 1 ファイルを参照する
- メールに添付しない: 添付された時点の古い版が残り続ける
- 本体を書いていないか定期的に確認する: 善意で「メモ」の列に本体を貼る人が出ることがある
月次の棚卸しでの使い方
台帳は、月 1 回の棚卸しでプロバイダ側の実態と突き合わせることで生きた表になります。
- 各プロバイダの管理画面から、現在有効なキー(デプロイメント)の一覧を出す
- 台帳にない行を「持ち主不明」で追加する
- 条件付き書式で色が付いた行を上から確認する
- 持ち主に照会し、失効・延長・利用者の変更を反映する
- 変更履歴に記録する
詳しい手順は「APIキーの棚卸し手順」で説明しています。
Excel で限界が来るサイン
最小構成の台帳は、次のような状態になったら限界が近いサインです。
| サイン | 理由 |
|---|---|
| キーが 50 本を超えた | 突き合わせの手作業が月に数時間かかるようになる |
| プロバイダが 3 つ以上になった | 管理画面ごとに一覧の出し方が違い、手順が複雑になる |
| 部署別の費用を毎月報告している | 台帳のキーと利用量を毎月手で結び付けることになる |
| 持ち主不明のキーが毎月出る | 発行時の記入に頼る運用が追いついていない |
この段階では、プロバイダの利用量データからキーの一覧を自動で作り、台帳の「実態側」を機械に任せるのが効率的です。Excel の台帳は「持ち主と用途を決める表」として残し、実態の把握は自動化する、という分担に移ります。
よくある質問
Q. Excel と Google スプレッドシートのどちらがよいですか? 社内で普段使っている方で構いません。重要なのは、1 ファイルを共有リンクで参照し、複製を作らせないことです。同時に編集する人が多いなら、共同編集と変更履歴が標準で使えるクラウドの表計算が向いています。
Q. 列を増やしたくなったらどうしますか? 「その列がないと判断できない場面があったか」で決めます。監査対応で承認者が必要になった、予算と突き合わせたくなった、など具体的な理由が出てから足します。最初から列を増やすと、記入の負担で更新が止まります。
Q. 既存のキーが多すぎて、最初の台帳が作れません。 費用が大きいキーから順に載せます。プロバイダの利用量画面で上位のキーを確認し、上位の数本の持ち主を確定するだけでも、費用の大半を説明できる状態になります。残りは月次の棚卸しで少しずつ埋めます。
まとめ
- API キー台帳は Excel の 1 シート・9 列から始められる。キーの本体の列は作らない
- プロバイダ・部署・状態はドロップダウンにし、持ち主不明と失効予定日には条件付き書式を付ける
- 台帳・部署一覧・変更履歴の 3 シート構成で、1 ファイルを共有リンクで参照する
- 月次の棚卸しでプロバイダ側の実態と突き合わせる
- キーが 50 本・プロバイダが 3 つを超えたら、実態側の把握を自動化する段階
ManageAI は、読み取り専用キーの登録だけで、各プロバイダのキーを自動で一覧にし、部署・利用者に割り当てて費用を集計します。割当は画面のほか CSV でも一括投入できるため、Excel の台帳からそのまま移せます。モニター企業を募集中です。
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