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用途分類・利用実態把握約5分で読めます

社員は生成AIを何に使っているのか|用途を把握する3つの方法

社員が生成AIを何の業務に使っているのかを把握する3つの方法(アンケート・聞き取り、APIキーや経路を用途ごとに分ける設計、業務システム側の記録)を解説します。それぞれの長所と限界、組み合わせ方、用途を把握する目的、プロンプトの内容を扱うときの注意点までをまとめました。

社員が生成AIを何に使っているのかを把握する方法は、大きく①アンケート・聞き取り、②APIキーや経路を用途ごとに分ける設計、③業務システム側の記録の3つです。「誰が・いくら使ったか」は利用量のデータで分かりますが、「何のために使ったか」は利用量のデータだけでは分かりません。3つの方法を組み合わせて、用途の全体像をつかみます。

用途を知りたい理由の多くは、費用に見合う使い方になっているか、効果の大きい使い方を他部署に広げられるか、を判断することです。この記事では、3つの方法の長所と限界、組み合わせ方、プロンプトの内容を扱うときの注意点を説明します。全体像は「生成AIの利用実態と用途を把握する 完全ガイド」を参照してください。

用途を把握する目的

目的用途が分かるとできること
効果の把握どの業務で時間が減っているかを示し、投資の判断に使う
横展開効果の大きい使い方を、似た業務の部署に広げる
費用の最適化用途に対して高性能すぎるモデルを使っていないかを確かめる
ルールの整備想定していなかった使い方に合わせて、ガイドラインを見直す
教育よく使われる用途に絞って、使い方の研修を用意する

目的によって、必要な細かさが違います。経営への報告なら「文書作成」「要約」「調べもの」程度の大まかな分類で足り、使い方の改善には業務単位の細かい分類が必要になります。

方法1: アンケート・聞き取り

項目内容
やり方社員に、どんな業務に、どのくらいの頻度で使っているかを聞く
長所すぐに始められる。個人の利用やサブスクリプションの利用も含めて聞ける。効果の実感も一緒に聞ける
限界記憶に頼るため正確さに欠ける。回答の偏り(よく使う人ほど答える)がある。継続的に取りにくい

設問の例

設問選択肢の例
どんな業務に使っていますか(複数選択)文章の作成/要約/翻訳/調べもの/企画・アイデア出し/プログラム/データの整理/その他
最もよく使う業務は同上から1つ
使用の頻度は毎日/週に数回/月に数回
効果を感じる業務は自由記入(例: 議事録の作成が半分の時間になった)

アンケートは、四半期に一度など定期的に行い、傾向の変化を見るのに向いています。部署ごとの聞き取りと組み合わせると、具体的な使い方の事例も集まります。

方法2: APIキーや経路を用途ごとに分ける設計

項目内容
やり方社内システムや業務ツールごとに APIキー(またはプロジェクト・デプロイメント)を分け、キーに用途を対応付ける
長所利用量のデータから、用途ごとの利用量と費用が継続的に分かる。プロンプトの内容に触れない
限界汎用のチャットのように、1つの経路でさまざまな用途に使われる場合は、用途を分けられない

分け方の例

キー(またはデプロイメント)用途
議事録ツール用会議の文字起こしの要約
問い合わせ対応ボット用社内の問い合わせへの一次回答
営業資料作成ツール用提案書の下書き
開発支援用コードの作成・レビュー
汎用チャット用さまざまな用途(この経路は用途を分けられない)

用途が決まっている業務ツールでは、この方法が最も確実です。キーの台帳に用途を記録しておけば、利用量のデータを用途別に集計できます。一方、社員が自由に使う汎用のチャットは、用途がキーに現れないため、他の方法で補います。

方法3: 業務システム側の記録

項目内容
やり方生成AIを組み込んだ業務システムで、どの機能(ボタン・画面)から呼び出されたかを記録する
長所用途(機能)ごとの呼び出し回数が正確に分かる
限界自社で開発・管理しているシステムでしか取れない。汎用のチャットは対象外

たとえば、文書管理システムの「要約する」ボタンと「翻訳する」ボタンの利用回数を記録すれば、要約と翻訳の利用の割合が分かります。プロンプトの内容を見ずに、機能の単位で用途が分かる方法です。

3つの方法の組み合わせ

経路向いている方法
用途が決まった業務ツール(API)方法2(キーを用途ごとに分ける)
自社開発の業務システム方法3(機能ごとの記録)+方法2
汎用のチャット(サブスクリプション・API)方法1(アンケート・聞き取り)
個人の利用・シャドーAI方法1

方法2と3で「決まった用途」の利用を継続的に測り、方法1で汎用のチャットと全体の傾向を補うのが、現実的な組み合わせです。

プロンプトの内容を扱うときの注意

汎用のチャットの用途を正確に知るには、プロンプトの内容を見る方法もあります。ただし、次の点に注意が必要です。

注意点内容
機密情報プロンプトには機密情報や個人情報が含まれることがある
外部への送信内容を外部のツールに送って分析すると、情報が社外に出る
従業員のプライバシー内容を見られていると感じると、利用が萎縮する
規程との整合顧客との契約や社内規程に反しないかを確認する

内容を扱う場合は、目的・範囲・閲覧できる人・保存期間を決め、従業員に説明してから行います。考え方は「利用監視ツールと従業員プライバシー|原文を見ない設計」も参照してください。

始めるときの進め方

時期やること
1か月目全社アンケートで大まかな用途の傾向をつかむ
2か月目用途が決まった業務ツールのキーを用途ごとに分け、台帳に用途を記録する
3か月目用途別の費用を集計し、効果の聞き取りと並べて報告する
以降四半期ごとにアンケートを行い、キーの台帳の用途を更新する

把握した用途をどう使うか

使い方例
用途別の費用と効果を並べる要約に月◯万円、効果は作業時間の削減◯時間
横展開の候補を選ぶ営業部で効果の大きい使い方を、企画部に紹介する
モデルの選び方を見直す要約の用途で高性能なモデルを使っていれば、安価なモデルを試す
ガイドラインを見直す想定外の用途があれば、入力してよい情報の基準を補う

用途の分類の作り方は「生成AIの用途分類の作り方|業務カテゴリの設計」で説明しています。

よくある質問

Q. どの方法から始めるべきですか? まずアンケートで全体の傾向をつかみ、次に用途が決まった業務ツールのキーを用途ごとに分けます。この2つで、多くの企業では用途の大まかな全体像が見えます。

Q. 汎用のチャットの用途を、内容を見ずに知る方法はありませんか? アンケートや聞き取りで補うのが一般的です。内容を扱うツールを検討する場合は、原文がどこで処理・保存されるかを必ず確認し、社内規程と従業員への説明を整えてから導入します。

まとめ

  • 社員の生成AIの用途は、アンケート・聞き取り、キーや経路を用途ごとに分ける設計、業務システム側の記録の3つで把握する
  • 用途が決まった業務ツールはキーの分け方で、自社システムは機能の記録で、汎用のチャットはアンケートで補う
  • プロンプトの内容を扱う場合は、機密情報・外部への送信・プライバシー・規程に注意する
  • 把握した用途は、費用と効果の比較、横展開、モデルの見直し、ガイドラインの改善に使う

ManageAIは、APIキー・部署・利用者別に利用量と費用を可視化し、キーを用途ごとに分けていれば用途別の費用も確認できます。また、プロンプト原文を貴社環境の外に一切出さずに、用途別の利用状況を統計として可視化する機能を提供予定です(特許出願中)。モニター企業を募集中です。

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この記事を書いた人

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師田 賢人

Kento Morota

Harmonic Society株式会社 Founder|設計・開発

一橋大学卒業後、アクセンチュアで大手企業の業務改革・システム導入に従事。200社以上の経営者を取材した編集者を経て、AIを活用したWeb開発・DX支援を展開。ManageAIの設計・開発を担当。

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