AWS Bedrockの使用量を確認する方法|CloudWatchメトリクス
AWS Bedrock(Amazon Bedrock)の使用量(トークン数・呼び出し回数)を確認・取得する方法を、開発者・情シス向けに解説します。CloudWatchのBedrockメトリクスで見られる範囲、モデル×リージョン×1時間で定期取得する手順とコマンド例、必要なIAM権限、Cost Explorerとの突合、利用者別に見るための設計までをまとめました。

AWS Bedrock(正式名称は Amazon Bedrock)の使用量は、CloudWatch の Bedrock のメトリクスで確認し、定期的に集計したい場合は CloudWatch の API で取得します。見える粒度はモデル(モデル ID)× リージョン × 時間までで、利用者個人や API キーごとの使用量はありません。部署別に見たい場合は、AWS アカウントを部署ごとに分けておくのが確実です。
この記事では、CloudWatch で確認できる範囲と、メトリクスを定期取得する手順を説明します。料金(請求額)の確認方法は「AWS Bedrockの利用料金を確認する方法|Cost Explorerでの絞り込み」、5プロバイダの全体像は「生成AI APIの利用状況・費用データを取得する方法 完全ガイド」を参照してください。
メトリクス名やコマンドは、執筆時点(2026年9月)の AWS の公式ドキュメントに基づきます。実装の前に最新の仕様を確認してください。
使用量を確認できる場所
| 場所 | 見えるもの | 向いている用途 |
|---|---|---|
| CloudWatch のメトリクス画面 | トークン数・呼び出し回数・レイテンシの推移。モデル ID で分割 | その場での確認、ダッシュボードの作成 |
| CloudWatch の API | 同上を時間ごとの数値で取得 | 定期取得と社内の単位での集計 |
| Cost Explorer | 実費(USD)。サービス・使用タイプ・リージョン × 日 | 請求との突合 |
主なメトリクス
名前空間は AWS/Bedrock、ディメンションは ModelId です。
| メトリクス | 内容 |
|---|---|
| Invocations | 呼び出し回数 |
| InputTokenCount | 入力トークン数 |
| OutputTokenCount | 出力トークン数 |
| InvocationLatency | 応答時間 |
| InvocationClientErrors / InvocationServerErrors | エラーの件数 |
| InvocationThrottles | スロットリング(流量制限)の件数 |
メトリクスはリージョンごとに記録されます。複数のリージョンで Bedrock を使っている場合は、リージョンごとに取得します。
取得できないもの
- 利用者個人・API キーごとの使用量: メトリクスはモデル単位まで
- 呼び出し元の IAM ユーザー・ロールごとの使用量: 分けたい場合は、CloudTrail のログか、モデル呼び出しログを別に集計する必要がある
モデル呼び出しログは、有効にするとプロンプトや応答の内容も記録されます。使用量の集計のためだけに有効にする場合は、保存先のアクセス権と保持期間を慎重に決め、社内の情報管理のルールに合うかを確認します。
メトリクスを定期取得する手順
必要な IAM 権限
取得用の IAM ユーザー(またはロール)には、読み取りの権限だけを付けます。
| 取得するもの | 権限の例 |
|---|---|
| メトリクス | cloudwatch:GetMetricData、cloudwatch:ListMetrics |
| 実費 | ce:GetCostAndUsage |
Bedrock のモデルを呼び出す権限は付けません。使用量の取得には不要です。アクセスキーを使う場合は、シークレット管理サービスに置き、ローテーションの時期を決めておきます。
使っているモデルを調べる
aws cloudwatch list-metrics --namespace AWS/Bedrock --metric-name InputTokenCount --region ap-northeast-1
返ってきた ModelId の一覧が、そのリージョンで使われているモデルです。
トークン数を取得する
モデルごとに、1時間ごとの入力トークン数の合計を取得する例です。
aws cloudwatch get-metric-data --region ap-northeast-1 \
--start-time 2026-09-27T00:00:00Z --end-time 2026-09-28T00:00:00Z \
--metric-data-queries '[{
"Id": "input",
"MetricStat": {
"Metric": {
"Namespace": "AWS/Bedrock",
"MetricName": "InputTokenCount",
"Dimensions": [{"Name": "ModelId", "Value": "<モデルID>"}]
},
"Period": 3600,
"Stat": "Sum"
}
}]'
| 指定 | 内容 |
|---|---|
| Period | 集計の幅(秒)。3600 は1時間 |
| Stat | 集計の方法。トークン数・呼び出し回数は Sum |
| Dimensions | モデル ID を指定する |
出力トークン数(OutputTokenCount)と呼び出し回数(Invocations)も、同じ形で1回のリクエストにまとめて取得できます。
保存の単位
「AWS アカウント + リージョン + モデル ID」を1つの単位として保存します。この組み合わせを、他のプロバイダの APIキーに相当する単位として扱うと、複数のプロバイダをまとめて集計しやすくなります。
Cost Explorer との突合
| 比較 | メトリクスから計算した概算 | Cost Explorer の実費 |
|---|---|---|
| 粒度 | モデル × リージョン × 時間 | サービス・使用タイプ・リージョン × 日 |
| 反映の時期 | 利用後、比較的すぐ | 約1日の遅れ |
| 注意 | 単価はリージョンや経路で変わることがある | 他社のモデルは Bedrock 本体とは別のサービス名(Marketplace)で計上されることがある |
実費を Cost Explorer の API で取得する場合、サービス名が Bedrock 本体と Marketplace に分かれることを前提に集計します。Bedrock だけで絞ると、他社のモデルの費用が抜け落ちます。また、Cost Explorer の API は呼び出しごとに少額の料金がかかるため、取得の頻度は1日数回程度に抑えます。
部署別に見るための設計
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| AWS アカウントを部署ごとに分ける | 最も確実。アカウント単位で使用量も実費も分かれる |
| アプリケーションごとにアカウントや環境を分ける | 用途別の使用量が見える |
| アプリケーション側で呼び出し元を記録する | 利用者別に近い粒度が必要なとき。ログの設計と保管に注意 |
よくある質問
Q. CloudWatch の数字と請求額が合いません。 メトリクスはトークン数で、請求は金額です。トークン数に単価を掛けた概算と比べ、差が大きければ、リージョンや経路による単価の違い、Marketplace で計上された費用の漏れを確認します。
Q. 過去の使用量はどこまで取れますか? CloudWatch のメトリクスは、古いものほど集計の幅が粗くなり、保持期間にも上限があります。長期の履歴は定期取得して自社で保存します。
Q. 利用者別に見る方法はありませんか? メトリクスでは見られません。アカウントを分けるか、アプリケーション側で呼び出し元を記録する設計にします。
まとめ
- AWS Bedrock の使用量は CloudWatch の AWS/Bedrock のメトリクスで確認し、定期的な集計は CloudWatch の API で取得する
- 粒度はモデル ID × リージョン × 時間まで。利用者個人の使用量は取れない
- 取得用の IAM には CloudWatch と Cost Explorer の読み取り権限だけを付ける
- 実費は Cost Explorer で、Marketplace のサービス名も含めて突合する。部署別はアカウントを分けて見る
ManageAIは、AWS Bedrockを含む5プロバイダの利用量と実費を自動で取得し、「リージョン/モデル」を疑似キーとして部署・プロジェクトに対応付け、APIキー単位の経路と同じ画面で可視化します。読み取り専用の認証情報の登録だけで始められます。モニター企業を募集中です。
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