主要5プロバイダの管理API一覧|取得できる項目比較
OpenAI・Azure OpenAI・Claude(Anthropic)・AWS Bedrock・Google Vertex AIの5プロバイダについて、生成AIの利用量と費用を取得する管理API(Usage API・メトリクス・Cost API・請求エクスポート)を一覧で比較します。認証の方式、取得できる項目、粒度、集計の幅、反映の遅れ、取れないものを表で整理しました。

生成AIの利用量と費用を取得する管理APIは、プロバイダごとに提供の形がまったく違います。OpenAI と Claude は専用の Usage API と Cost API を持ち、APIキー単位で利用量が取れます。Azure OpenAI・AWS Bedrock・Google Vertex AI は、クラウドの監視サービス(メトリクス)で利用量を取り、クラウドの課金サービスで費用を取ります。
この記事では、5プロバイダの管理APIを、認証・取得できる項目・粒度・反映の遅れ・取れないものの観点で一覧にします。取得の手順の全体像は「生成AI APIの利用状況・費用データを取得する方法 完全ガイド」を参照してください。
内容は執筆時点(2026年9月)の各社の公式ドキュメントに基づきます。仕様は変更されることがあるため、実装の前に各社の最新のリファレンスを確認してください。
全体の比較
| OpenAI | Azure OpenAI | Claude(Anthropic) | AWS Bedrock | Google Vertex AI | |
|---|---|---|---|---|---|
| 利用量の取得元 | Usage API | Azure Monitor のメトリクス | Usage API | CloudWatch のメトリクス | Cloud Monitoring のメトリクス |
| 費用(実費)の取得元 | Costs API | Cost Management | Cost API | Cost Explorer | BigQuery の請求エクスポート |
| 認証 | Admin API キー | サービスプリンシパル | Admin API キー | IAM(アクセスキーまたはロール) | サービスアカウント |
| 利用量の粒度 | APIキー × モデル | デプロイメント × モデル | APIキー × モデル | モデル(リージョンごと) | モデル(ロケーションごと) |
| 実費の粒度 | プロジェクト × 日 | リソース × 日 | ワークスペース × 日 | サービス・リージョン × 日 | プロジェクト・SKU × 日 |
| 利用者個人の内訳 | キーの割当で可 | 不可 | キーの割当で可 | 不可 | 不可 |
利用量の管理API
取得できる項目
| 項目 | OpenAI | Azure OpenAI | Claude | AWS Bedrock | Vertex AI |
|---|---|---|---|---|---|
| 入力トークン | ○ | ○ | ○(非キャッシュ) | ○ | ○ |
| キャッシュ入力 | ○(読み取り) | ×(取得不可) | ○(読み取り・作成を別に) | 要確認 | 要確認 |
| 出力トークン | ○ | ○ | ○ | ○ | ○(思考を含む) |
| リクエスト数 | ○ | ○ | ×(取得不可) | ○ | ○ |
| 集計の幅 | 1分・1時間・1日 | 1分〜(指定) | 1分・1時間・1日 | 秒単位で指定(1時間など) | 秒単位で指定(1時間など) |
「要確認」は、モデルや機能によって扱いが異なり、実際のデータで確かめる必要がある項目です。
分けて集計できる軸
| プロバイダ | 軸 |
|---|---|
| OpenAI | プロジェクト、ユーザー、APIキー、モデル |
| Azure OpenAI | デプロイメント名、モデル名、ステータスコードなど |
| Claude | APIキー、ワークスペース、モデル、サービス階層など |
| AWS Bedrock | モデル ID(リージョンは取得先で分かれる) |
| Vertex AI | モデル、ロケーション、トークンの種類 |
費用(実費)の管理API
| プロバイダ | 取得元 | 通貨 | 反映の遅れの目安 | 注意 |
|---|---|---|---|---|
| OpenAI | Costs API | USD | 数時間程度 | 1日単位のみ |
| Azure OpenAI | Cost Management のクエリ | 請求通貨(円建てもある) | 24〜48時間 | 契約の種類によって取得できない場合がある |
| Claude | Cost API | USD | 約1日(UTC の日の確定後) | 金額の単位(セント単位の文字列)に注意 |
| AWS Bedrock | Cost Explorer の API | USD | 約1日 | 他社のモデルは Marketplace のサービス名で計上される。API は呼び出しごとに少額の料金 |
| Vertex AI | BigQuery の請求エクスポート | 請求通貨 | 1日程度(有効化の直後は数日かかることがある) | エクスポートの有効化が必要。有効化以降のデータのみ |
認証と必要な権限
| プロバイダ | 認証情報 | 付ける権限(読み取りのみ) |
|---|---|---|
| OpenAI | 組織の Admin API キー | 使用量・費用の読み取り |
| Azure OpenAI | サービスプリンシパル | 閲覧者(メトリクス)、Cost Management 閲覧者 |
| Claude | Admin API キー(組織アカウントが前提) | 使用量・費用の読み取り |
| AWS Bedrock | IAM ユーザーまたはロール | CloudWatch のメトリクス読み取り、Cost Explorer の読み取り |
| Vertex AI | サービスアカウント | Monitoring 閲覧者、請求データの読み取り |
いずれも、モデルを呼び出す権限は不要です。使用量と費用の取得には、読み取りの権限だけを付けます。認証情報は組織全体の情報を読めるものが多いため、シークレット管理サービスで保管し、持ち主と失効の手順を台帳に記録します。
取得できないもの
| 取得できないもの | 該当するプロバイダ | 対処 |
|---|---|---|
| 利用者個人ごとの使用量 | Azure OpenAI・AWS Bedrock・Vertex AI | リソース・アカウント・プロジェクトを部署ごとに分ける |
| APIキー・利用者単位の実費 | 全社 | 利用量 × 単価の概算で出し、合計は実費で突合する |
| リクエスト数 | Claude | アプリケーション側のログで数える |
| キャッシュ入力の数 | Azure OpenAI | キャッシュ割引が反映されない前提で概算を見る |
| プロンプトや応答の内容 | 全社(管理API では取得しない) | 内容の把握が必要なら別の仕組みを検討する(情報管理のルールに注意) |
管理APIが返すのは利用量のメタデータ(トークン数・モデル・時刻など)で、プロンプトや応答の内容は含まれません。内容に触れずに利用量と費用を把握できる点は、セキュリティ審査で説明しやすい特徴です。
比較から分かること
- APIキー単位で見えるのは OpenAI と Claude だけ。他の3社は、リソース・アカウント・プロジェクトの分け方で部署別の見え方が決まる
- 利用量と実費は、どの社でも別の API。部署別の費用は概算、請求と一致するのは実費、と区別する前提で設計する
- 取得できない項目は社ごとに違う。全社で同じ項目を揃えようとせず、取れない項目は「取れない」と明示する
粒度の違いと、その違いを踏まえた設計は「生成AI利用状況の粒度はプロバイダで違う|キー・デプロイ・モデル」、5社のデータをまとめる方法は「5プロバイダの使用量を一元管理する方法」で説明しています。
よくある質問
Q. どのプロバイダから取得を始めるべきですか? 費用が最も大きいプロバイダから始めます。OpenAI と Claude は専用の API があり、APIキー単位で取れるため、最初の1社として取り組みやすいです。
Q. 1つの認証情報で複数のプロバイダを取得できますか? できません。プロバイダごと(Azure・AWS・GCP はサブスクリプション・アカウント・プロジェクトごと)に認証情報が必要です。
Q. 管理APIの仕様はよく変わりますか? 項目の追加や、新しい機能に合わせたエンドポイントの追加は起きます。取得の仕組みを作る場合は、仕様の変更を追う担当を決めておきます。
まとめ
- OpenAI と Claude は専用の Usage API・Cost API、Azure・Bedrock・Vertex AI はクラウドの監視と課金のサービスで取得する
- 利用量の粒度は、APIキー(OpenAI・Claude)、デプロイメント(Azure)、モデル(Bedrock・Vertex AI)
- 実費は全社ともキーや利用者の単位では取れない。部署別は概算、合計は実費で突合する
- 認証情報は読み取りの権限だけで足り、プロンプトの内容は管理APIでは取得しない
ManageAIは、5プロバイダの管理APIを横断して利用量と実費を自動で取得し、APIキー・デプロイメント・モデルという粒度の違いを「疑似キー」で揃えて1つの画面に並べます。取れない項目や粒度の限界は画面上で開示します。読み取り専用の認証情報の登録だけで始められます。モニター企業を募集中です。
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