Azure OpenAIの使用量を確認する方法|Azure Monitorのメトリクス
Azure OpenAIの使用量(トークン数・リクエスト数)を確認・取得する方法を、開発者・情シス向けに解説します。Azure portalのメトリクスで見られる範囲、Azure Monitorのメトリクスをデプロイメント×モデル×1時間で定期取得する手順とコマンド例、必要な権限、Cost Managementとの突合、利用者別に見られない理由までをまとめました。

Azure OpenAIの使用量は、Azure OpenAI リソースの「メトリクス」(Azure Monitor)で確認し、定期的に集計したい場合は Azure Monitor のメトリクス API で取得します。見える粒度はデプロイメント × モデル × 時間までで、利用者個人ごとの使用量はありません。部署別に見たい場合は、デプロイメントやリソースを部署ごとに分けておくのが前提になります。
この記事では、ポータルで確認できる範囲と、メトリクスを定期取得する手順を説明します。料金(請求額)の確認方法は「Azure OpenAIの利用料金を確認する方法|Cost Managementの使い方」、5プロバイダの全体像は「生成AI APIの利用状況・費用データを取得する方法 完全ガイド」を参照してください。
メトリクス名やコマンドは、執筆時点(2026年9月)の公式ドキュメントに基づきます。リソースの種類(Azure OpenAI リソースか、AI Foundry の統合リソースか)によって表示名が異なる場合があるため、実装の前にポータルのメトリクス一覧で確認してください。
使用量を確認できる場所
| 場所 | 見えるもの | 向いている用途 |
|---|---|---|
| ポータルのメトリクス | トークン数・リクエスト数の推移。デプロイメント・モデルで分割 | その場での確認、グラフの作成 |
| Azure Monitor のメトリクス API | 同上を時間ごとの数値で取得 | 定期取得と社内の単位での集計 |
| Cost Management | 実費(請求通貨)。リソース × 日 | 請求との突合 |
主なメトリクス
| メトリクス(ポータルの表示名) | 内容 |
|---|---|
| 処理されたプロンプト トークン | 入力トークン数 |
| 生成された補完トークン | 出力トークン数 |
| 処理された推論トークン | 入力と出力を合わせたトークン数 |
| Azure OpenAI 要求数 | リクエスト数 |
分割(ディメンション)には、デプロイメント名・モデル名などが使えます。ステータスコードで分けると、エラーになったリクエストも確認できます。
取得できないもの
- 利用者個人ごとの使用量: Azure OpenAI のキーはリソースに付くもので、利用者ごとに分かれていない
- キャッシュされた入力トークンの数: メトリクスからは取得できない。概算費用はキャッシュ割引が反映されない前提で見る
メトリクスを定期取得する手順
必要な権限
取得用のサービスプリンシパル(アプリの登録)を作り、読み取りの権限だけを付けます。
| 取得するもの | 付ける権限の例 |
|---|---|
| メトリクス | 対象リソースまたはリソースグループの「閲覧者」(または監視閲覧者) |
| 実費(Cost Management) | サブスクリプションの「Cost Management 閲覧者」 |
書き込みや管理の権限は付けません。取得用の資格情報は、シークレット管理サービスに置き、期限と持ち主を台帳に記録します。
Azure CLI での取得例
デプロイメント名で分けて、1時間ごとの入力・出力トークン数を取得する例です。
az monitor metrics list \
--resource "/subscriptions/<サブスクリプションID>/resourceGroups/<リソースグループ>/providers/Microsoft.CognitiveServices/accounts/<リソース名>" \
--metrics ProcessedPromptTokens GeneratedTokens \
--interval PT1H \
--aggregation Total \
--filter "ModelDeploymentName eq '*'" \
--start-time 2026-09-27T00:00:00Z --end-time 2026-09-28T00:00:00Z
| 指定 | 内容 |
|---|---|
| --metrics | 取得するメトリクスの名前(API 上の名前) |
| --interval | 集計の幅。PT1H は1時間 |
| --aggregation | 集計の方法。トークン数は合計(Total) |
| --filter | 分割の条件。デプロイメント名を「*」で指定すると、デプロイメントごとに分かれて返る |
同じ内容は Azure Monitor の REST API(リソースのメトリクス取得)でも取得できます。定期取得のプログラムでは REST API を使うのが一般的です。
複数のリソースをまとめて取得する
Azure OpenAI のリソースは、部署やプロジェクトごと、リージョンごとに複数作られていることがよくあります。
- サブスクリプション内の Azure OpenAI(および統合リソース)を一覧する
- リソースごとにメトリクスを取得する
- 「リソース名 + デプロイメント名」を1つの単位として保存する
リソースとデプロイメントの組み合わせを、他のプロバイダの APIキーに相当する単位として扱うと、複数のプロバイダをまとめて集計しやすくなります。
Cost Management との突合
| 比較 | メトリクスから計算した概算 | Cost Management の実費 |
|---|---|---|
| 粒度 | デプロイメント・モデル × 時間 | リソース × 日 |
| 通貨 | 自社の単価表の通貨 | 請求通貨(日本の従量課金では円建ての場合がある) |
| 反映の時期 | 利用後、比較的すぐ | 24〜48時間程度の遅れ |
実費は請求通貨で返るため、円建ての契約なら円のまま扱います。無料試用などの契約では実費が取れない場合があり、その場合は概算だけで管理します。
運用時の注意点
- メトリクスの保持期間には上限がある: 長期の履歴は定期取得して自社で保存する
- 時間の境界を揃える: 1時間のバケットは UTC の時刻境界に揃えて保存する。境界がずれると、再取得のたびに二重に数える原因になる
- デプロイメント名の変更に注意: 名前を変えると別の単位として集計される。台帳で対応を管理する
- API Management を使っている場合: 前段のゲートウェイでキーを分けていれば、そちらのログで利用者別に近い粒度を得られることがある
よくある質問
Q. 部署別の使用量を出すにはどうすればよいですか? デプロイメントかリソースを部署ごとに分け、それを部署に対応付けます。1つのデプロイメントを複数の部署で共用している場合は、按分のルールを決めるか、デプロイメントを分けます。
Q. ポータルの数字と取得した数字が合いません。 集計の方法(合計か平均か)、時間の幅、タイムゾーンを確認します。トークン数は合計(Total)で揃えると一致させやすくなります。
Q. OpenAI の API を直接使う場合と、何が違いますか? OpenAI の直接利用は APIキー単位で使用量が取れますが、Azure OpenAI はデプロイメント単位までです。その代わり、実費はリソース単位・請求通貨で取れます。
まとめ
- Azure OpenAI の使用量はメトリクスで確認し、定期的な集計は Azure Monitor のメトリクス API で取得する
- 粒度はデプロイメント × モデル × 時間まで。利用者個人の使用量とキャッシュのトークン数は取れない
- 取得用のサービスプリンシパルには、閲覧者と Cost Management 閲覧者の読み取り権限だけを付ける
- 部署別に見るなら、デプロイメントやリソースを部署に合わせて分け、実費は Cost Management で突合する
ManageAIは、Azure OpenAIを含む5プロバイダの利用量と実費を自動で取得し、デプロイメントを「疑似キー」として部署・プロジェクトに対応付けて、APIキー単位の経路と同じ画面で可視化します。読み取り専用の認証情報の登録だけで始められます。モニター企業を募集中です。
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