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Vertex AIの使用量を確認する方法|Cloud Monitoringのメトリクス

Google Vertex AIの使用量(トークン数・呼び出し回数)を確認・取得する方法を、開発者・情シス向けに解説します。Cloud MonitoringのMetrics Explorerで見られる範囲、モデル×ロケーション×1時間で定期取得する手順、必要な権限、BigQueryの請求エクスポートとの突合、利用者別に見られない理由と部署別に見る設計までをまとめました。

Google Vertex AIの使用量は、Cloud Monitoring(Metrics Explorer)の Vertex AI のメトリクスで確認し、定期的に集計したい場合は Cloud Monitoring の API で取得します。見える粒度はモデル × ロケーション × 時間までで、利用者個人や API キーごとの使用量はありません。部署別に見たい場合は、GCP プロジェクトを部署ごとに分けておくのが確実です。

この記事では、Cloud Monitoring で確認できる範囲と、メトリクスを定期取得する手順を説明します。料金(請求額)の確認方法は「Vertex AIの利用料金を確認する方法|Cloud Billingレポート」、5プロバイダの全体像は「生成AI APIの利用状況・費用データを取得する方法 完全ガイド」を参照してください。

メトリクス名や API は、執筆時点(2026年9月)の公式ドキュメントに基づきます。実装の前に Metrics Explorer と公式ドキュメントで最新の名前を確認してください。

使用量を確認できる場所

場所見えるもの向いている用途
Metrics Explorerトークン数・呼び出し回数・レイテンシの推移。モデル・ロケーションで分割その場での確認、ダッシュボードの作成
Cloud Monitoring の API同上を時間ごとの数値で取得定期取得と社内の単位での集計
BigQuery の請求エクスポート実費。プロジェクト・サービス・SKU × 日請求との突合

主なメトリクス

Metrics Explorer では、Vertex AI のパブリッシャーモデル(Google や他社が提供するモデル)のメトリクスとして表示されます。

メトリクス内容
トークン数入力・出力のトークン数(種類のラベルで入力と出力を分ける)。出力には思考のトークンが含まれる
呼び出し回数モデルの呼び出し回数
レイテンシ応答時間

分割には、モデル・ロケーションなどのラベルが使えます。メトリクスの正式な名前(metric type)は、Metrics Explorer でメトリクスを選んだときに表示されるものを使います。

取得できないもの

  • 利用者個人・API キーごとの使用量: メトリクスはモデル単位まで
  • 呼び出し元のサービスアカウントごとの使用量: 分けたい場合は、サービスアカウントを用途ごとに分けて監査ログで追うか、プロジェクトを分ける

なお、Google AI Studio の Gemini API(APIキーで使う経路)は、Vertex AI とは別の経路です。Vertex AI のメトリクスや請求には含まれないため、使っている場合は別に把握します。

メトリクスを定期取得する手順

必要な権限

取得用のサービスアカウントを作り、読み取りの権限だけを付けます。

取得するものロールの例
メトリクスMonitoring 閲覧者
実費(BigQuery の請求エクスポート)請求データのデータセットの読み取りと、クエリの実行

Vertex AI のモデルを呼び出す権限は付けません。サービスアカウントの鍵を使う場合は、シークレット管理サービスに置き、ローテーションの時期を決めておきます。

API での取得の流れ

Cloud Monitoring の API(時系列データの取得)で、次の条件を指定して取得します。

指定内容
filter取得するメトリクスの種類(トークン数、呼び出し回数)
interval集計期間(開始・終了時刻)
alignmentPeriod集計の幅。3600s で1時間
perSeriesAligner集計の方法。トークン数・呼び出し回数は合計(ALIGN_SUM)
curl -G "https://monitoring.googleapis.com/v3/projects/<プロジェクトID>/timeSeries" \
  -H "Authorization: Bearer $(gcloud auth print-access-token)" \
  --data-urlencode 'filter=metric.type="<トークン数のメトリクスの種類>"' \
  --data-urlencode "interval.startTime=2026-09-27T00:00:00Z" \
  --data-urlencode "interval.endTime=2026-09-28T00:00:00Z" \
  --data-urlencode "aggregation.alignmentPeriod=3600s" \
  --data-urlencode "aggregation.perSeriesAligner=ALIGN_SUM"

返ってくる時系列には、モデル・ロケーション・トークンの種類(入力・出力)のラベルが付きます。

保存の単位

「GCP プロジェクト + ロケーション + モデル」を1つの単位として保存します。この組み合わせを、他のプロバイダの APIキーに相当する単位として扱うと、複数のプロバイダをまとめて集計しやすくなります。

請求エクスポートとの突合

比較メトリクスから計算した概算BigQuery の請求エクスポートの実費
粒度モデル × ロケーション × 時間プロジェクト・サービス・SKU × 日
前提Cloud Monitoring の読み取り権限請求エクスポートの有効化が必要
注意出力には思考のトークンが含まれる有効化より前のデータは出ない

請求エクスポートを有効にしていないと、実費は取得できず、概算だけの管理になります。実費で突合したい場合は、早めに有効にしておきます。設定の詳細は「Vertex AIの利用料金を確認する方法」を参照してください。

部署別に見るための設計

方法内容
プロジェクトを部署ごとに分ける最も確実。プロジェクト単位で使用量も実費も分かれる
サービスアカウントを用途ごとに分ける監査ログで呼び出し元を追える
ラベルを付ける請求エクスポートでラベル別に集計できるリソースもある

運用時の注意点

  • メトリクスの保持期間には上限がある: 長期の履歴は定期取得して自社で保存する
  • 時間の境界を揃える: 1時間のバケットは UTC の時刻境界で保存し、再取得時の二重計上を防ぐ
  • ロケーションの違い: 同じモデルでもロケーションによって単価が違う場合がある
  • API の呼び出し回数: Cloud Monitoring の API には利用の上限があるため、取得の間隔と対象を絞る

よくある質問

Q. Metrics Explorer に Vertex AI のトークン数が出てきません。 対象のプロジェクトとリソースの種類(パブリッシャーモデル)を選んでいるか、その期間に利用があったかを確認します。利用がない時間帯はデータが返りません。

Q. 思考のトークンは別に取れますか? 出力のトークン数に含まれて記録されます。思考を使うモデルでは、出力トークンが想定より多く見えることがあります。

Q. 利用者別に見る方法はありませんか? メトリクスでは見られません。プロジェクトかサービスアカウントを分けるか、アプリケーション側で呼び出し元を記録する設計にします。

まとめ

  • Vertex AI の使用量は Cloud Monitoring のメトリクスで確認し、定期的な集計は Cloud Monitoring の API で取得する
  • 粒度はモデル × ロケーション × 時間まで。利用者個人の使用量は取れず、Gemini API(AI Studio)は別経路
  • 取得用のサービスアカウントには Monitoring 閲覧者と請求データの読み取りだけを付ける
  • 実費は BigQuery の請求エクスポートで突合する。有効化以降のデータしか出ないので早めに有効にする

ManageAIは、Google Vertex AIを含む5プロバイダの利用量と実費を自動で取得し、「ロケーション/モデル」を疑似キーとして部署・プロジェクトに対応付け、APIキー単位の経路と同じ画面で可視化します。読み取り専用の認証情報の登録だけで始められます。モニター企業を募集中です。

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この記事を書いた人

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師田 賢人

Kento Morota

Harmonic Society株式会社 Founder|設計・開発

一橋大学卒業後、アクセンチュアで大手企業の業務改革・システム導入に従事。200社以上の経営者を取材した編集者を経て、AIを活用したWeb開発・DX支援を展開。ManageAIの設計・開発を担当。

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